〜 グレートプレーンズ社の電動シーウィンド 〜
特徴的なスタイルを持つ本機は、結構人気があるようです。ところがプロペラがこの様な位置にある機体は、それなりに安定良く飛ばすための理論を考え、的確な調整を行なう必要があります。そこで本EPシーウインドを購入された方は、ぜひ参考にして下さい。
本機に見られるピッチ(縦安定)の不安定について
上図を見て下さい。理論上、機体の重心位置を中心に運動を行ないますが、ここでPL(プロペラの推進力)が大きくなれば、当然のように、重心位置を中心に、機種下げ方向への力が大きくなります。そのため、上空で全速飛行する時は、このダウンぐせを打ち消すために、HL(ピッチ・アップ力)を大きくする必要があります。よって、図でも表現している様に、エレベーターをアップ・トリムで飛ばす訳です。
さて、ここで問題なのは重心位置です。もし、重心位置が後方にあると、スロットル・レバーを下げてプロペラ推力を落とせば、機首が浮き上がる様なくせが出る事があります。
この様な場合は、重心位置を更に前方へ移動し、エレベーターがアップ・トリムでも、更に機首重になる様にします。つまり、プロペラ後流が最大時に、エレベーター・アップ・トリムで水平飛行できる調整をして、スロットルを下げて、プロペラ後流が減ってくれば、HL(ピッチ・アップ力)も減って、機首が下がる重心位置を設定すればよいのです。
離水成功のための具体的な調整
☆重心位置の調整(必ず行なう!!)
〜本機では、主翼前縁から25mmが重心位置になっていますが、これより前方に設定します。
なお、題材機は15mmで設定しています。
*説明書の英文にも「今の重心よりも10mm前方にすれば安定した飛行ができる。」
と書かれています。
☆適度のモーター出力にする。
〜大きなモーターは、後ろが重くなるし、最大出力時に頭下げが顕著になるので、使用しない。
*今回の題材機はHP-2209-26です。十分過ぎとは言いませんが、丁度のパワーです。
宙返りやロールもなんなくこなします。
☆エレベーターのトリム
〜エレベーターは、最初から多目のアップ・トリムにセットして離水させて下さい。(写真参照)
ニュートラルの状態だと、頭を下げた滑水になるので、水面ループし易くなる。
☆水面ループ防止策
〜翼端フロートが小さ目ですから、できれば底面積を増やす工夫をします。題材機は、
クリヤーファイルをカットして、翼端フロート底面にプラスチック接着剤(スコッチ製水性)で
貼り付けてみました。(写真参照)とりあえず、底面中心から外側だけですが、できれば
中心から両方に貼った方が、更に効果があるかもしれません。
最初から、これ位のアップ・トリムをセットして離水させて下さい。
底面にクリヤーファイルをカットして取り付ける。
両側に取り付けると、更に効果があるかも?
モーターの搭載例ですが、ハイペリオン・ブラシレス・モーターは指定の物と取り付け穴が違い、マウントをカーボン板で製作して取り付けた。
メカ類の搭載状況ですが、これから防水対策を行ないます。
防水対策のために、この様な物を用意します。
これはLipo電池の例です。口元にスポンジを噛ませて万一の際に吸水させて防水時間を稼ぎます。結構効果があるので試してみて下さい。アンプや受信機も同様に処理しておきます。
防水対策後の搭載状況です。配線の出口にはスポンジを噛ませています。
プロペラはAPC8×6SLで、スピンナーはハイペリオンの30mmφが何とかフィットしました。
エルロンの搭載例です。
初飛行に向かうシーウィンドEPです。水中舵も良く効きます。
最初の離水は、アップ・トリムが足らずに、離水の瞬間にステックを戻したところ、水面と軽〜くお友達に・・・? 直ぐに気付き、アップ・トリムにセットして、今度は難なく離水していきました。
初フライトは、YAがトリムを合わせて、宙返りやロールも行なってみました。上々です。タッチ・アンド・ゴーも何度かトライしましたが、中々良い感触です。2フライト目は、オーナーの◎濱さん(初水上機)が最初から飛ばしました。そして安定良く飛んで、無事帰還した本機に大喜びでした。ハイ・チーズ!!